院長コラム

VOL.13 ~ そもそも「くも膜」って何だ? ~

2014.08.01

vol11最近、著名人がくも膜下出血で急逝されたため、この病気が注目されています。
「くも膜」の「くも」とは、巣を作って他の虫を捕まえて食べる8本足の、あのクモのことです。
はるか昔、ギリシャの解剖学者が頭部を解剖した際に「脳がクモの巣のような薄い膜に包まれている。
ことを発見して、この膜を「くも膜」と名づけました。
くも膜の内側は、「くも膜下腔」と呼ばれ、無色透明な脳脊髄液に満たされています。
脳と脊髄は、脳脊髄液の中に浮かんでいます。くも膜下腔には脳を栄養する動脈が走っています。
正常の動脈は、血圧が上がるだけでは破れません。「動脈瘤」という、動脈壁の一部がコブ状にふくらんで壁が弱くなっている部分が破れます。
動脈瘤が破れると、「くも膜下腔」すなわち脳表面全体に血が噴出し、急速に脳が圧迫されます。
初期の出血量が少なければ、「経験したことのない激しい頭痛」や「めまい、ふらつき、気分が悪い」などを自覚して医療機関に行くことができます。
くも膜下出血に関しては、MRIよりもCTの方が、早く的確な診断が得られます。
初期の出血が多量であったり、脳幹部近くで出血した場合には、数分のうちに昏睡状態となり、治療できずに亡くなる場合があります。
脳神経外科領域ではもっとも治療の難しい病気の一つです。

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