院長コラム

VOL.16 ~ 高コレステロール血症は治療すべきか? ~

2014.08.01

vol16

日本脂質栄養学会から「コレステロールの高い人の方が長生きする」という発表がありました。
これに対して、日本動脈硬化学会は、大反対を表明しています。
どちらが正しいのかという議論は、とても膨大でこのコラムにおさまりませんので、今回は「コレステロールの値だけでは、治療は決められない。」ということをお伝えしたいと思います。

コレステロールは、動脈硬化を悪化させる物質であると同時に生命維持のために必要不可欠な物質です。

コレステロールをLDLとHDLに分けて、LDLを「悪玉」と呼んでいますが、LDLは細胞膜やホルモンの原料としてのコレステロールを運ぶという重要な役割を果たしています。しかし、高血圧、糖尿病、喫煙などの危険因子と過剰なLDLコレステロールが重なると、動脈硬化が悪化します。これらの危険因子は、動脈の壁を傷つけたり、「悪玉」コレステロールを酸化して本物の「悪玉」に変化させたりすることによって、動脈硬化を進行させます。

コレステロールの危険性は、一人一人の年齢、性別、他の病気の有無、脳梗塞や心筋梗塞を起こしたことがあるかどうか、などにより違ってきます。血液検査の値だけで判断せず、脳梗塞などを発症する危険性があるのかどうかを判断して治療を決めることが大切です。

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