院長コラム

VOL.18 ~ 認知症患者の財産を守る成年後見制度 ~

2014.08.01

vol18

認知症患者の治療や介護については関心が高まっていますが、認知症患者の財産管理の問題は忘れられがちです。

認知症が進行すると、自分の預貯金・保険の契約や解約ができなくなります。
財産処分の目的が、認知症患者本人の治療費などであったとしても、本人の意思表示ができなければ、家族が財産処分を代行することはできません。
また、認知症の方が悪徳商法などで不利益な契約を結んでしまっても、悪徳業者が「認知症だとは気がつかなかった」のであれば、この契約は解除できません。

このように、財産処分やさまざまな契約などで、認知症患者やそのご家族が不利益をこうむらないように、後見人を定める制度が成年後見制度です。
成人である認知症患者については、「成年後見人」を定めることにより、後見人が本人の代わりに財産を管理できるようになります。
後見人は家庭裁判所により親族や法律の専門家などが選任されます。
制度を利用するためには、認知症患者が財産管理能力を失っているかどうかを鑑定する必要があります。
鑑定は、家庭裁判所から依頼された医師が行ないます。
認知症患者の、意思疎通、記憶、計算、判断、月日や人の認識などを評価し、どのような病気やケガで判断能力を失うほどの脳損傷を受けてしまったのかを説明する文書を作成して、家庭裁判所に提出します。

成年後見制度の鑑定への協力も認知症診療に携わる医師の重要な役割であると考えています。

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