院長コラム

VOL.19 ~ 認知症の治療薬について ~

2014.08.01

vol19

平成23年の春から夏にかけて、新しいアルツハイマー型認知症治療薬が3種類(内服薬2種類、貼付薬1種類)発売され、医療機関で処方されるようになりました。
それ以前はこの病気の進行予防に使われる薬物は1種類だけでした。

治療の選択肢が増えたのは喜ばしいことですが、問題なのは「アルツハイマー型」という言葉が忘れられて、これらの薬があらゆる認知症について「進行を遅らせる薬」として誤解されやすく、患者本人や家族の希望もあって別の病気であっても処方されてしまうことです。

「認知症」を起こす病気は多種多様であり、症状が似ていても原因が異なれば治療方法は異なります。
原因について検査することなく新薬を飲んでも、認知症は改善しません。
たとえば、慢性硬膜下血腫と特発性正常圧水頭症という認知症を起こしうる病気があります。
これらの病気は手術によって治療できます。
稀ではありますが、脳腫瘍の初期症状として認知症が見られることもあります。
脳梗塞が多発したことによって起こってくる認知症については、脳梗塞の治療と予防が優先されます。
パーキンソン病という運動障害が主症状である病気も、長年の間には認知症を伴うことがあります。

新薬の処方を求める前に、一人一人の認知症を起こしている原因の追究が必要です。

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