院長コラム

VOL.7 ~ 「薬で認知症が治るのか?」 ~

2014.08.01

vol07認知症には、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症があることが知られていますが、その他にも「認知症」の症状を示す病気はたくさんあります。 似たような症状でも、病気によって治療方法は異なってきます。
「認知症進行を遅らせる薬」が、テレビ番組などで頻繁に紹介されたため、とにかくこの薬を飲みたい、家族に飲ませたい、という方が増えました。
この薬は、アセチルコリンという物質の分解を遅らせる薬です。
アセチルコリンは、脳の中では記憶や学習に関する信号伝達を行っていると考えられています。
記憶能力を改善する目的で、アセチルコリンの分解を遅らせる薬が開発されました。
分解されずに残っているアセチルコリンが働くことによって脳内の信号伝達が良くなる、という論理です。
この薬が効くかどうかは、その人の認知症が「コリン動作性神経の障害」が原因であるかどうかによります。
違う病気に使っても効果はありません。しかも、アセチルコリンは信号を伝えるだけで、意欲を高めるわけではありません。
この薬で信号の伝達が良くなっても、人と会話をすることも無く、何の仕事も無く、すなわち「脳を活用することなく」過ごしていたら症状の改善は難しいということです。
認知症の治療には、適切な薬と患者さんの周囲の人の協力が大切です。

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