-
VOL.11~ 「介護をしている人」の健康 ~
「老老介護」の家庭が増えています。多いのは高齢者夫婦の世帯で要介護者になった配偶者の介護をしている例です。70代の子供が90代の親の介護をしている家庭も増えています。時には、中高年に達した子供が親よりも先に要介護者になることもあります。「介護をしている人」が体調を崩しても、要介護者の家族を放り出すこと...
-
VOL.10~ 「血圧の薬は、飲み続けなくてはいけないのか?」 ~
高血圧症の治療では、長期間、薬の内服が続きます。「血圧の薬は、一生、飲み続けなければいけないのか?」、「血圧が下がってきたが、薬をやめても良いか?」、などの質問をしばしば受けます。たしかに、食事の塩分制限、禁煙、運動療法などを続けることにより血圧が十分に下がり、降圧剤を止めてしまっても問題が無い...
-
VOL.9~ 「診療科名は難しい」 ~
体の具合が悪くなったときに、何科を受診したらよいのでしょうか。眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、泌尿器科、などは臓器名の名前そのままで、あまり迷うことはありません。臓器名を表示すれば何でもわかりやすくなると考えたのか、最近の大病院では親切に(?)、消化器内科、呼吸器内科、内分泌内科、腎臓内科、循環器内科...
-
VOL.8~ 「CTとMRIは、どちらがすぐれているのか?」 ~
CT(正確にはX線CT)とMRIは、どちらともよく知られている医療検査機器です。両者とも、コンピューターを利用して体の中の状態を画像化しています。臓器の信号をとらえる方法が異なり、CTはX線を、MRIは磁場を、それぞれ用いています。CTの方が、検査料が安く、短い時間で撮影ができます。緊急検査も容易です。頭部外傷...
-
VOL.7~ 「薬で認知症が治るのか?」 ~
認知症には、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症があることが知られていますが、その他にも「認知症」の症状を示す病気はたくさんあります。 似たような症状でも、病気によって治療方法は異なってきます。「認知症進行を遅らせる薬」が、テレビ番組などで頻繁に紹介されたため、とにかくこの薬を飲みたい、家族に飲...
-
VOL.6~ 「その「めまい」は大丈夫なのか?(2) ~
訓練していない人がスケート選手の真似をして体をクルクル回すと「めまい」がします。ジェットコースターから降りた直後も体が揺れているように感じます。急激な頭部の動きには神経の調節機能が追いつかないために、誰にでも「めまい」や「フラツキ」が起こります。大袈裟に言うと、頭部の動きに、眼球運動が追いつかな...
-
VOL.5~ 「その「めまい」は大丈夫なのか?(1) ~
テレビドラマの中で、主人公が突然、顔をゆがめて目を閉じながら頭をかかえるようにして倒れてしまったら、「めまい」を起こして倒れたように見えます。次の場面では医師が登場してきて説明します。「疲労によるものです、やすめばすぐに治ります。」という場合と、「脳卒中です手術が必要です。」という場合があります...
-
VOL.4~ 「腹囲90cmを超えたら病人ですか? ~
「メタボリックシンドローム」を省略した「メタボ」という言葉は、いつの間にか「腹がでている」という意味になってしまいました。メタボリズムは「代謝」という意味ですが、「代謝症候群」では何が言いたいのかわからないので「内臓脂肪症候群」と訳されています。内臓脂肪が増えすぎると腹が出てくるわけです。今年(...
-
VOL.3~ 「脳梗塞」は痛くない ~
「痛み」は生体の危険信号です。人は、「痛み」を感じた臓器には何か異常が起きたと察知します。心筋梗塞という病気では、心臓の動脈が詰まって強烈な胸痛が起こるので、ためらうことなく救急車を呼ぶことになります。脳の血管が詰まる病気、「脳梗塞」の場合はどうでしょうか?、実は、脳梗塞が起きても、頭痛を感じる...
-
VOL.2~ 市販の頭痛薬は良く効きますが・・・ ~
医師の処方箋なしに買える頭痛薬のほとんどは、複数の化学成分を含んだ混合薬です。アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸、無水カフェイン、イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿酸、などの内で2~3種類の成分が含まれています。それぞれの物質は、原因の異なる別の頭痛に効きます。飲めばいずれかの成分...