VOL.15 ~ 「脳動脈瘤」の治療方法 ~

vol15

前2回の本欄では、くも膜下出血が脳動脈瘤破裂によって起きること、未破裂脳動脈瘤はほぼ無症状の病気であること、などを解説いたしました。

脳動脈瘤の主な治療方法は、開頭手術と血管内手術の2種類があります。

開頭手術では、頭蓋骨を削り、脳のすき間を顕微鏡で見ながら進入して、脳動脈瘤に到達し、これを小さな金属製クリップで閉鎖します。確実な脳動脈瘤閉鎖が確認できること、万が一手術中に出血が起きても止血できること、などが長所です。短所は、頭皮に傷が残ること、脳を傷つける可能性が皆無ではないこと、などです。

血管内手術では、足の付け根の動脈に針を刺して、カテーテルという細い管を挿入し、動脈内から脳動脈瘤まで到達します。カテーテルを通じて、コイルと呼ばれる柔らかい針金を動脈瘤の中に詰め込んで血流を遮断します。小さな刺し傷が残るだけで、脳を傷つける可能性も低い方法です。欠点は、血流遮断が完全に成功したかどうかの確認が難しいこと、血管内手術中に出血が起きた場合には緊急で開頭手術に切り替えなくてはならないこと、などです。

どちらの方法を選ぶかについては、動脈瘤の形や位置、既に出血しているかどうか、患者さんの年齢や体力、など多くの条件が関連します。信頼できる担当医と十分に相談することが重要です。