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VOL.21~ 血液サラサラの薬について ~
薬というものは、たいていの人はあまり飲みたくないと思うのですが、脳梗塞の予防になる「血液サラサラの薬」と言われると、何だか飲みたくなりませんか?「血液サラサラ」という言葉は、医療関係者が患者さんへの説明の時にしばしば使っています。もちろん、脳梗塞や心筋梗塞の予防のために必要な薬ですので、これらの...
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VOL.20~ てんかん発作は抑えることができます ~
「てんかん」は、自分では予期できないときに突然意識を失ったり体がけいれんしたりするという病気です。適切な治療により、発作を抑えることで特に支障なく社会生活を営むことができます。発作の形が多種多様であるため、周囲の誤解を受けることがあります。よく知られているのは、全身がけいれんして白目をむいて泡を...
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VOL.19~ 認知症の治療薬について ~
平成23年の春から夏にかけて、新しいアルツハイマー型認知症治療薬が3種類(内服薬2種類、貼付薬1種類)発売され、医療機関で処方されるようになりました。それ以前はこの病気の進行予防に使われる薬物は1種類だけでした。治療の選択肢が増えたのは喜ばしいことですが、問題なのは「アルツハイマー型」という言葉が忘れ...
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VOL.18~ 認知症患者の財産を守る成年後見制度 ~
認知症患者の治療や介護については関心が高まっていますが、認知症患者の財産管理の問題は忘れられがちです。認知症が進行すると、自分の預貯金・保険の契約や解約ができなくなります。財産処分の目的が、認知症患者本人の治療費などであったとしても、本人の意思表示ができなければ、家族が財産処分を代行することはで...
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VOL.17~ 水頭症による「認知症」症状の治療には手術が有効 ~
「正常圧水頭症」という病気があります。意欲の低下、物忘れ、尿失禁、など「認知症」とよく似た症状がおこりますが、「認知症」ではありません。歩行障害を伴うことが特徴です。大半の水頭症はクモ膜下出血などの脳疾患の後遺症として起こりますが、中には原因不明のいつの間にか進行する水頭症があります。これは、脳...
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VOL.16~ 高コレステロール血症は治療すべきか? ~
日本脂質栄養学会から「コレステロールの高い人の方が長生きする」という発表がありました。これに対して、日本動脈硬化学会は、大反対を表明しています。どちらが正しいのかという議論は、とても膨大でこのコラムにおさまりませんので、今回は「コレステロールの値だけでは、治療は決められない。」ということをお伝え...
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VOL.15~ 「脳動脈瘤」の治療方法 ~
前2回の本欄では、くも膜下出血が脳動脈瘤破裂によって起きること、未破裂脳動脈瘤はほぼ無症状の病気であること、などを解説いたしました。脳動脈瘤の主な治療方法は、開頭手術と血管内手術の2種類があります。開頭手術では、頭蓋骨を削り、脳のすき間を顕微鏡で見ながら進入して、脳動脈瘤に到達し、これを小さな金...
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VOL.14~ 小さな爆弾「脳動脈瘤」 ~
前回のコラムでは、「くも膜」の意味とくも膜下出血の原因が「脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)」と呼ばれる血管異常であることをご紹介いたしました。脳動脈瘤は、動脈壁の一部がコブ状に膨らむ病気です。脳動脈瘤の大きさは、小さいもので直径2-3mm、普通の大きさは5-10mm程度です。脳外科医が「巨大脳動脈瘤」と呼ぶ...
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VOL.13~ そもそも「くも膜」って何だ? ~
最近、著名人がくも膜下出血で急逝されたため、この病気が注目されています。「くも膜」の「くも」とは、巣を作って他の虫を捕まえて食べる8本足の、あのクモのことです。はるか昔、ギリシャの解剖学者が頭部を解剖した際に「脳がクモの巣のような薄い膜に包まれている。ことを発見して、この膜を「くも膜」と名づけまし...
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VOL.12~ 学童期に始まる「頭痛持ち」 ~
脳神経外科には、20~40代の「頭痛持ち」の方がたくさん訪れます。月に1-2回、数時間以上続く強い頭痛発作を何年も繰り返しています。経過を詳しくうかがうと「頭痛持ち」になりはじめた時期は、小学生や中学生ごろであったという方がいらっしゃいます。大人になって医療機関を受診するまで、10年以上「頭痛持ち」を我慢さ...